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「犬語」を解する人/Kindle版江藤淳全集発売中
2024.07.01

「夜の紅茶」を嗜み、黒いコッカースパニエル・ダーキイを愛する江藤淳は、名エッセイストだった。

日常のささやかな一コマを達意の文章でとらえて、ふっと永遠を垣間見せる。戦闘的批評家の素顔は、日々の季節のうつろいや犬の瞳のかがやきに一喜一憂する心豊かな生活人。だからこそ、親しみやすい談話もジャーナリズムを賑わせる。知られざる一面がここに!

 

第16巻『批評家の気儘な散歩』

《批評家もまた、ときには文学の園を出て、気儘な散歩を試みることもあるのである。とはいうものの、彼が批評家である以上、どんな道草を喰っていても、この男は、批評という精神の運動を停止してしまうことはできない。》

◉本書は1969年に紀伊国屋ホールでおこなわれた連続講演会がもとになっている。最新の知見と批評原論が談話体によりわかりやすく展開されており、福原麟太郎が「この本はいまに「世紀の書」と呼ばれるにいたるであろう」と絶賛した。時の試練に耐えて、今こそ読まれるべき批評の精華!

 

第2巻『新版 日米戦争は終わっていない』

《日米両国間の〝終わりなき戦い〞の、行きつく果てはどこだろうか? 私は、東西両洋文化の壁を超え、人種の差異を超えた、真の相互理解の確立以外にないと考えている。》

◉江藤淳は、冷戦構造が崩壊した後の世界情勢を40年前に予見していた。生涯をかけた「戦後批判」を一冊に凝縮した語りおろし。しかし、本書で提起された問題は、まだ目前にあり、私たちは今こそ直面しなければならない!

 

第3巻『犬と私』

《犬にだってちゃんと言葉がある。フランス語とスペイン語が親類同土のように、犬語は狼語と親類で、現に、スイスで狼語辞典というのが出版されているくらいだ。》

◉ここまで犬を溺愛していたのかと、江藤淳が一気に身近になる本。一連のエッセイによって、読者はコッカー・スパニエル、ダーキイの名をみんな覚えた。60年代の古き良きアメリカで、右往左往しながら異文化に馴染んでゆく日常を描いた文章も秀逸である。著者撮影の愛犬写真も収録。

 

第5巻『夜の紅茶』

《随筆を書くのはいつでも愉しい。仕事が終ったあとの、充ち足りた自分だけの時間。スタンドの燈が机の上に柔かくひろがって、いま、お前はお前自身にかえっている、とささやきかけて来るような時間。そういう時間にひたりながら、遠い音楽に耳を澄ますような気持で、私は随筆を書く。》

◉1970年頃、国際的文化人として活躍が目覚ましかった江藤淳は、「夜の紅茶」を嗜む趣味人でもあった。「論争家」が心の裡に秘めていた柔らかい感受性と多彩な関心が全開した玩具箱のような一冊。

 

第7巻『なつかしい本の話』

《書くという行為を通じてしか、病者の悪を浄化し、自分を健康にする道はないということだけは、おぼろげにわかりはじめていた。》

◉デュマ『モンテ・クリスト伯』、『谷崎潤一郎集』、ゲーテ『若きヱルテルの悲しみ』、井伏鱒二『まげもの』、伊東静雄『反響』、チェーホフ『退屈な話』……愛読した本の記憶とともに、批評家・江藤淳の誕生の秘密が明かされてゆく。翻訳文化や装幀の美しさなど、戦中の文化がいかに豊かだったかを実感的に語る江藤淳の埋もれた代表作。

 

全巻……………………1,200円(税込)

Amazon内Kindleショップにて発売中!!

 

 

 

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