「日附のある文章」は全集編集者のイチオシ本!
kindle版江藤淳全集第9巻「日附のある文章」発売中です。「若い日本の会」時代の江藤淳、私はほんとうに好きです。さほど注目されてこなかった悪名高い「転向」の過程のこの時期をフューチャーすることが、編集者としての私の秘かな目標でした。喧嘩っ早くて、溌剌としていて、すぐ現場に飛び出してゆく若くて元気なプロの書き手。こういう人がいたら、真っ先に原稿を頼みます。現実に売れっ子になりました。しかし、批評家としての「青春」は「60年安保」の無残な退潮とともに終わります。そのプロセスが赤裸々に明かされている、1960年10月に出た本書。珍しく杉並区図書館に所蔵がなく、「日本の古本屋」にもほぼ出ていない貴重本です。ぜひ一読下さい!
風元正(編集)
Kindleにて発売中!
第9巻『日附のある文章』
「若い日本の会」代表だった20代、60年代安保の最中の「転向」をリアルタイムで記録することにもなった威勢のいい同時代への挑戦状。「政治と文学」の狭間で、ヴィヴィッドに揺れる心情をここまで率直に告白した知識人は、日本では江藤淳ただ一人ではないか。古本市場や図書館でも稀少な貴重本であるが、本書での溌剌とした若々しさは後年とは別人の観もある。